これまでの研究で、犬は人間の出すシグナル、例えば指差しや視線などに対して高い反応性を示すだけでなく、「うれしい」「悲しい」「怖い」などの“情動”の変化の違いも認知できることは知られていた。そして、麻布大などの研究チームによる最近の研究で、短い時間で飼い主の“情動”が移り変わったとしても、犬は察知し共感することがわかったという。また、一緒に生活した期間が長いほどその傾向が強く、オスよりメスの方がより顕著にみられたという。イヌとヒトの共生は3万5千年ほど。
今回の研究で、飼い主の気持ちを犬が察知できていたから、ここまで長く人と犬がうまく付き合ってこられたということを裏付けたようだ。一緒に生活している時間が長い飼い主ほど「そうだと思ってた」という人は多いかもしれないが、言葉にしなくても通じ合える存在がいるというのは心強いものだ。

感情豊かな犬の気持ち

犬は全身を使い自分の感情を表現するため様々な表情、しぐさで相手に伝えようとするため色んな一面を見せてくれます。目からわかる感情・口や耳からわかる感情・全身を使った感情表現。犬の気持ちを知るための表情やしぐさが詰まっています。

 

犬の感情 目の状況
威嚇 目元にシワがよる
親愛 目を細める
不安 視線を合わせず目をキョロキョロさせる
反省 上目遣いで見つめてくる

 

犬の感情 口の状態 耳の状態
リラックス 口が緩み舌をわずかにのぞかせる 後ろに寝かせるように耳を下げる
攻撃 歯茎をむき出しにして全ての歯を見せる 前方に傾けて伏せる
遊んでほしい 口角をあげる 耳を後ろに倒す
甘えている 口元がやや緩む 耳を寝かせる
警告 歯茎と犬歯を見せる 耳を前方に傾ける
不安 口を閉じる 耳を後ろに引き気味

目・口・鼻・全身のボディランゲージから犬の感情を読み取ってあげることで、愛犬とコミュニケーションをとることができ強固な絆を結ぶことができます。犬の気持ちを知ることで愛犬を理解することができ、愛犬も飼い主が気持ちを理解してくれていると感じ信頼関係を築くことができます。犬の感情を理解することでより愛おしい存在になってきますよ。

犬の特徴から感情を読み解く

食べ物を持っているか否かは活発な表情変化に影響しなかったことから、人の注目が自分にあるかどうかで表情を変化させている、つまり人に対して顔の表情で何かコミュニケーションを図ろうとしているのではないかと考えられました。

反射的かつ無意識に顔面の筋肉を動かしているだけではなく、随意に。意識的に表情を変えている、と表現しても良いでしょう。

餌の存在ではなく、飼い主が自分に注目してくれているかで判断していたことが分かる。くれぐれも、ながらで対応しないようにしたい。スマホやテレビを見ながらでは自分に愛情が向いていないことが愛犬には伝わってしまっていると思う。

◆犬が飼い主にみせる「10の愛情表現」

  1. しっぽを振って好きだよアピール
  2. 前足をのっけてくるのは、遊んでほしいのサイン
  3. 「笑顔」のときは、嬉しいときや幸せなとき
  4. スリスリしてくるのは、甘えたいとき
  5. 頭をコッツンは、ご主人への信頼のあかし
  6. 深いため息は、満足している証拠
  7. 仰向けでお腹を見せるのは、信頼しているから
  8. ご主人のものに囲まれて寝るのは好きだから
  9. 顔をペロペロするのは、甘えたいサイン
  10. 飼い主が落ち込んでいるときは、寄り添って癒してくれる

こうしてみると、愛犬の愛情表現はなんだか愛らしいと感じないだろうか。からだや表情で飼い主に対して自分の気持ちをアピールしているのだと分かる。愛犬が愛情表現をしているときは、愛情を持って優しく接してみよう。愛犬にも気持ちが伝わるかもしれない。

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書いた人mirai