超高齢化社会を共に生きるペットの存在と寿命を考えると、飼い主と丁度よく生きられたら良いのかという問題にぶち当たる!でもそんなことではなく、世の中には、飼い主さんに不幸があっても引き取ってくれる施設がある、また家族が引き取るにしても、健康であるべきである!とそう思います。預かる方にも健康であれば負担は減ることも事実、だからこそ、細胞一つ一つを元気で維持できたらという思いにつながっていきます。
深刻化する犬・猫ペット殺処分について
犬・猫などのペット殺処分に関して、日本の超高齢化社会も少なからず影響を及ぼしている。更に、長寿化を続けるペットと、高齢者の関係が濃密になっている。
高齢の飼い主が老人ホームへの施設入所や病院へ入院する事で行き場をなくしたペットが増えている。
犬や猫を飼っている高齢者が老人ホームに入所しなければいけない場合、突然病気で倒れて入院した場合、または亡くなった場合、その飼っていた犬や猫への対応が問題視され始めている。
また、認知症でペットの世話が出来なくなり、フンや尿で清潔さを保てない、家族同然のペットが居るからと入院を拒む等のケースも見られ、ペットとの共存において色々な問題が深刻化している。
近年では老犬や老猫専用の介護ホームや介護型ペットホテル等のサービスも有り改善されつつあるようだ。年老いた犬や猫を何らかの理由により飼い続けることが出来なくなった場合に、その飼い主さんからペットを預かり、終生お世話をする施設である。
老犬ホームはここ3~4年で急拡大しているが問題点も多い。
ペットと入居できる、特別養護老人ホーム等の施設も出来始め話題となっている。今後このような場所は増えるが全ての施設がOKになる事はないだろう。
高齢者とペット【飼育破綻を防ぐリスクマネジメント】
保健所などの自治体は原則、引き取った犬猫を殺処分する。ただ動物愛護管理法の改正で、飼い主の自己都合による依頼を拒否できるようになった。高齢者が飼い主を見つけるのは難しく、行き場のないペットが増えている。
高齢になっても、ペットと暮らしたいというニーズは根強い。しかし、高齢者である事でのリスクがある。ペットと高齢者が幸せに暮らすには、リスクマネジメントが必要だ。
リスクは、危害の「発生の可能性」×「被害の大きさ」で示す事ができる。この、リスクを未然に防止するため、リスクの分析、評価、低減とコントロールを行う事をリスクマネジメントという。
高齢者とペットが幸せに暮らすために介護家族ができること
- 全身を触り変化に気づいたり、年に1、2回の健康診断についておく
- ペットを飼育するために必要なことを、チェックリストにしておく
- もし高齢者が一時的もしくは長期的にペットを飼えなくなってしまったらどうするのかを、あらかじめ考えておく(費用の準備も必要)
- ペット信託の利用
困ったときに相談しようでは遅すぎる。どうにもならない状況も前もって想定しておく事がリスクマネジメントには大切だ。
ペットフード協会によると、犬の平均寿命は14.85歳、猫は15.75歳。60~70代で飼い始めれば、自分の死後も生きる可能性は高い。面倒を見られなくなった場合、どうするのか。対応策を考えておく必要がある。
―ペットを飼育している高齢者、またその家族に向けてメッセージをお願いします
動物との生活は第2の子育てのようにとてもいい刺激になります。また、動物を介してご近所の方や家族とのコミュニケーションが生まれやすくなるので本当にいいことです。
いい面ばかりを見るのではなく、お世話が大変だったり、世話ができなくなった時にどうするかといったことをきちんと考えたうえで飼っていただけたらと思います。