自由という言葉を聞いてみなさんはどう感じるだろうか。辞書によると他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえることとある。周りに迷惑をかけずに自由な選択や言動をするなど人間はある程度自由な生活を確立出来ている方だろう。それでは、ペットの自由に対してはどうか。
ペットは人間の様に話す事が出来ない。そして首輪や鎖、小屋による拘束も仕方なく起こる。そして、痛みや辛さを言葉で伝えられないのだ。飼い主や周囲に居る人間が感情を読み解き向き合う必要がある。ペットの様々な自由について考えてみたい。
「五つの自由」
動物福祉の基準として世界的にも認められている「五つの自由」
1.飢えと渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛み・傷害・病気からの自由
4.恐怖や抑圧からの自由
5.正常な行動を表現する自由
これらの「自由」は犬や猫などのペットだけではなく、動物園の動物や学校飼育の動物はもちろん、牛や豚など人が殺して食べる動物たちも含めて、人間が関わる全ての動物に与えられるべきものであろう。
特に、望まれずに産まれた後に人間の手で捨てられてしまったり、早くに親兄弟から引き離されてしまったり、社会化の機会を十分与えられずに育った犬や猫は、不安傾向が強い神経質な性格に成長してしまうことがあるそう。
このような犬や猫はさまざまな刺激に対して、不安や恐怖を感じる。例えば、家に来客が尋ねる、散歩の途中で知らない人や犬に会う、留守番をする、雨・風・雷・花火の音、その他の日常的な出来事にも不安を感じる。またペットホテルやトリミングサロン、動物病院などでも精神的苦痛を強く感じてしまうÚ。
愛犬・愛猫を本当の意味で幸せに。
同じ種別の動物でも見た目や性格に個体差があるのは誰しもお分かりだろう。
「犬だって友だちが多いほうが幸せ」などの、つきあいの強要はストレスになる動物も居る。
人間と共存、共生するペットは物ではなく命ある生き物です。飼い主には「動物に対する責任」と「社会的責任」が発生する。動物に対する責任とは最後まで飼う、迷子にさせない、動物にとって快適な飼育環境を与えるなどの責任です。
社会的責任とは、犬を飼う方の義務である犬の登録と毎年1 回の狂犬病予防注射です。これは犬を病気から守るだけでなく、人を狂犬病から守るのです。
1.飢えと渇きからの自由
愛猫、愛犬などの動物にとって適切であり栄養的に十分な食物が与えられ、いつでも綺麗な水が飲めるようにし飢えや渇きに苦しまないようにする。
2.不快からの自由
清潔で適切な生活場所が維持できていて、怪我をするような危険な物は無いか。風、雪、雨や炎天を避けられる快適な休息場所が有るか。環境への不快を感じさせない
3.痛み・傷害・病気からの自由
病気にならない様に普段から健康管理・予防をし、痛み、外傷あるいは疾病の兆候を示していないかを観察して、必要であれば診察や治療をする。痛み・傷害・病気に、いち早く気づいてあげる必要がある。
4.恐怖や抑圧からの自由
恐怖や精神的苦痛(不安)や多大なストレスがかかっていないかチェックし原因になる物が有ればすぐに改善策を取り、的確な対応を施す。
5.正常な行動を表現する自由
動物が正常な行動を表現するための十分な空間・適切な環境が与えられて、その習性に応じて群れあるいは単独で飼育され、また、離すことが必要である場合には、そのように飼育されているかも考えるべきである。
5つの自由をよく考えてペットや動物に接していきたい。